赤ちゃんも寝、それぞれの自由な時間を過ごしていた。

ソファに座り、佐藤は相変わらず、携帯でメールをしている。
紙田はソファに寝転がり、いかがわしい本をまた読んでいた。


「先輩」

「ん?」

「死んでください」

「無理だ」

「なぜですか?」

「死にたくないから」

「実にショックだ」

そんな会話をしていると、赤ちゃんが目を覚ました

「そういえば、今さらですけど、赤ちゃんの名前、何て言うんですか?」

「聞いてないから知らん」

「……何だそれ」

もう慣れたようで、紙田の態度にいちいち呆れることはなかった。
赤ちゃんは天井を見て笑っている。

―怖っ

「あははー。おまえ、あいつが見えるのか?」

意味ありげのことを言う紙田にも身震いをしながら、聞かなかったことにした。


「そうだっ」

紙田は何か思い付いたように声をあげた

「憂鬱そうにしてるこの赤ちゃんを―」

「暇だからって無理矢理決めつけるのやめません!!?」

「やめない!!」

「いや、やめようよ」

「やめるわけない!!俺様が決めたことは絶対なのだ!!!」

と、高笑いしたあと、紙田は、手榴弾を持ち

「雪合戦ならぬ、合戦だ」

「うん。やめましょう」

冷静に言う佐藤。