「千円、どう返せばいい?」


「アホタに渡しといて下さい」


「アホタ壊れた」


「あ、やっぱり?」


「…あれ治したのおまえか?」

「はい」


「なるほど。接続が甘かったな」


「なるほど。ま、アホタのどっかに挟んでてください」


「わかった。じゃあな」


「はい、」


ブチ。

電話は向こうから切れた。
恐らく、この電話が最後になるだろう。


―…ふわぁー眠い。


学校に戻り、アホタに千円を挟んだ。


目からオイルが流れ、紙田の卒業を悲しんでいるようにも見えた。

「………」

紙田は暫くアホタの顔を見ていた。

一年半ぐらいだけだったが、こいつはよくいろいろとしてくれた。


アホタはもともとアンドロイド紙田から、無事な機材だけをとり、造った物だった


その機材がもう駄目になり、このような状態になっている。

中枢幹さえちゃんとなっとけば、元通りには出来る。


だが今、代わりとなる機材がない。だからアホタが元通りになるのは不可能だった。

変なロボットばかり作り、爆破したことを今更後悔する紙田。


―物は大事に…か。当たってるな


と、少し関心していた。