上野は走り続けた。
崇拝していた、佐藤から逃げる為に

「あ…あんなので撃たれたら…死んじゃうよ…」

見つかったら死ぬ。
見つかったら死ぬ
見つかったら死ぬ

心が一色に染め上がる。佐藤という恐怖に


バタンっ

「ここに隠れてたら、バレないよね…」

佐藤といたトイレではなく、二階の男子トイレに隠れた


―カラン

何か金属が何かにこすれるような音が聞こえた

「……」

カラン

もう一回、音がした

カラン

―もしかして…鉄バット

バキッ!!

―えっ?

バキッメキメキッドンッ

「これって…もしかして」

―ドアを壊してる?

「ここにはいないか…」

―やっぱり壊してる!!

「次はこっちだ…」

ドンッ

佐藤は上野が隠れているドアを壊し始める

ドンッ

小さく、凹み始めるドア。
次第に、穴が開きはじめる

「いや…」

恐怖を感じながら、上野は周りを見渡した

―何か、何か逃げる場所はないか?

―あった!!

開閉可能な窓があった。

急いで、窓から出ようとする。