「……」
ツーツーという音を聞きながら、紙田はあることを思った
「はっ!!あ、あいつ、宇宙人に拐われたのか!!」
電波の紙田はほっとき、話を進める。
※
翌日。
「はい、どーぞ」
上野は早く入部しろと言わんばかりに、入部届けを佐藤に渡した
「ありがと…」
上野は写真とはえらい違いで、めちゃくちゃ楽しそうだった。
「俺さ、嬉しいんだ」
「…?」
佐藤は怪訝そうな顔で上野を見たが、当の本人は全く気づいていない感じだった。
「佐藤くんと仲良くなれるなんて」
―…いや、まだ仲良くはなってない
てか、もう楽しいなら、辞めてよくないか?
「おーい、佐藤」
―遠くからは紙田バカの声が聞こえくるし
「…誰?」
「ちょっとね」
そう言って、上野の場所から離れ、紙田の場所に行った。
「先輩、ちょっとこっちに…」
「お、おお」
教室から廊下に出て、そのままトイレに直行した。
「なんだ?」
「もう上野くんはハッピーライフらしいです。だから辞めましょう。このままじゃ、入りたくもないテニス部に入らせる」
紙田はハハハと笑い、
「いーじゃん。テニス部。うちの部は、掛け持ちいいし」
「………」
「それに、盛り上げ部よりテニス部の方がいいと思うぞ。うん」
―いや、俺は嫌なんですけど。疲れるから


