成熟と化して


「お兄ちゃんただいまー」

「ただいまー」

弟たちが帰ってきた。

「ああ、おかえり、つーか店の方来るなよ」

「いいじゃん、ケチ!!」

「ケチ!!」


ちなみに双子とイメージしてもらって構わない。

「今日はこの兄ちゃんが遊んであげるんだって」

と、龍神は紙田を指差した。

弟たちは、紙田の方を向き、

「兄ちゃん遊ぼう」

「遊ぼう」

「よし!!いくか」

そう言って弟たちは荷物を店に放り投げ、公園へと向かった。

投げた荷物は、トマトの上に落ちた


「おい!!ちょ…俺が怒られるんだからな!!!」

その声は弟たちに届くことはなかった




それから何時間後。
少し顔が腫れた龍神は、公園へと向かった。

既に辺りは薄暗かった。

「…」

龍神は唖然とした。

「テロリストだー」

「だー!!」

里果と龍大が、手榴弾片手に犬を追いかけていた

「はははー、青春だなー」

紙田はそれを見て、優しく笑っていた。

「いや、青春じゃないから!!!ていうか俺の弟たちに何してくれちゃってんの!!?」

「大丈夫。手榴弾はプラトニックラブだから」

「いや、意味わかんねーから!!」

「あ、プラトニックラブじゃなかったっけ?あ…レプリカだ」

「全然違うだろ」

「大丈夫…えっと、あ、何文字も被ってないや」

「ドンマイ」


紙田と話していると里果と龍大が近づいてきた

「兄ちゃんだ!!」

「テロリストごっこしたよ」

「変な遊び覚えさせるな」

と、軽く紙田を睨むと、視線を弟たちに向け

「それはよかったな。でもこの遊びは18禁だ。やめろ」

「わかった」

「わかった」

「…何で18禁で納得するんだよ」

と、紙田は軽く疑問に思ったが、敢えて答えは聞かないことにした。