成熟と化して


「うーん…なかなかのスパイラルファミリーだな。関心関心」


どこを関心してるのか、ま、それは置いとき

「あのね、あのねママ」

「龍神兄ちゃんがね」

女の子と男の子の子ども二人がお母さんに話しかけている。
子ども二人は、どことなく風紀委員長に似ていた

―兄弟かな?

「龍神兄ちゃん、今日サッカーしてくれるんだ」

「そう、よかったわね」

「龍大だけずるーい、里果も龍神お兄ちゃんと遊びたーい」


―龍神兄ちゃんって、風来坊太郎のことだよな…?


「仲良くしなさい、二人とも」


「「はーい」」


父さんとは大違いで母さんはおしとやからしい。
ま、母さんまであんなスパイラルだったら、あの家は崩壊だな


―ま、どーでもいいか。

と思い、紙田は家に帰っていった




次の日。風来坊太郎もとい龍神兄ちゃんは、紙田のところに来た

「おい!!紙田」

「何、龍神兄ちゃん。龍大くんと里果ちゃんの世話はどーだった?」

と言ってニヤリと笑う紙田。

「何でおまえ知ってんだよ」

「母さん俺のタイプだ。一発やらせろ」

「キモいこと言うな」

「ていうかさ」

紙田はさっきのニヤニヤ顔はやめ、真剣な顔になった。

「大変だな。弟たちの面倒+店の手伝い、風紀委員しなきゃいけないな」

「ま…好きでやってるしな、ってそれより昨日は…」


紙田が手のひらを龍神兄ちゃんのに向け、喋るなとポーズをした。

「手伝ってやるよ。弟たちの面倒+店の手伝い」

「いや、あんたにやらせると何かとありそうだから嫌だ」

「はっきり言うな。つーか俺結構商売とか上手いぞ」

「でも嫌だ」

「嫌じゃない。いいと言え」

「嫌なもんは嫌だ。やるな」

「いいし、勝手になるから」