成熟と化して


「いいじゃねーか別に」

「八百屋って果物売るんだー、それともあんたら嘘ついてるのか!!客に」

「ついてねーよ」

「八百屋じゃなくて、八百万屋に改名しろよ、バーカ」

「あんたに言われたくねーよ…あ、いらっしゃいませー」


と、風紀委員長は他の客のところに行ってしまった。

紙田はまた林檎を一つかじった

―…嫌がらせするか

そう言って、毛虫方ロボットと、ゴキブリ型ロボットを置いた。


―ま、帰ろー


「おい待てよ」

風紀委員長が紙田の肩に手を置く

「何虫置いてんだよ!!!」

「あれだ、引っ越し祝い」

「とんだ祝いだな、それと引っ越しなんてしてないし」

「俺が諦めるのを諦めろ」

「何かっこよく言ってんだよ!!!」

「おい、龍神」

中から風紀委員長のお父さんらしき人が出てきた

「なーに、お客さまに暴言吐いてんだよ!!!」

「いや…これは…」

引きつった顔になる風紀委員長

「言い分するな!!!」

そう言って、頭を殴る父さん。そして紙田の方をくるりと向き、にっこりと笑い

「どーぞ、ごゆっくり見てください。うちの店はどれも新鮮ですから」

「は……はい…」

父はそう言うとまた、お店の奥に行こうとしたが、ん?と言うと、紙田が置いたロボットをつまみ上げた

「あ、それは…」

紙田は慌ててフォローしようとしたが、

「てめー!!!」

父はまた風紀委員長の頭を殴った

「あれほど虫には気を付けろと言っただろーが!!!」

と、言うと虫を風紀委員長に投げつけ、店の奥へと入っていった

「………」

―か~えろ♪


逃げるように紙田はその場を後にした。