「でさ、佐藤くんは何部?一応参考程度に」

「ああ、盛り…」

ここで佐藤は一つの考えが生まれた

盛り上げ部が何をする部活かは、部紹介のときに説明されたのでみんな知っている

つまりここで『盛り上げ部だよ。がはは』と言ってしまったら、上野が『…もしかして俺が標的?』みたいな疑問を浮かんでしまうかもしれない。

その小さな、疑問が、佐藤の頭を支配させた。

―ありえる。うん

「盛り?もしかして盛り上げ部?」

「違う!!帰宅部だよ」

翔は敢えて、盛りに感しては何も言わないことにした

「帰宅部か…だったらテニス部に入ってみない?その方が近づきやすいし」

「えっ…」

正直嫌だった。どうせミッションの為に言った嘘なのに、キツイ練習をするなんて。


「お、俺、テニスとかしたことなくて…」

「でも佐藤くん。運動神経いいんでしょ?噂で聞いたことあるよ」

「……噂?」

「うん。なんか、流れてるよ」

「……」

―誰だっ!!ガセな噂流した奴!!!

ぶっちゃけ、佐藤は運動神経が人並み以上によかった。
初めて卓球をしたとき、半日でドライブまで出来た。おまけに、上級者の人と戦い、見事勝ったほどだ。