「あっ……!」 私は、驚きのあまり声が漏れてしまった。 九条君が手に持っているものは… 紛れもなく私が探していたモノ…。 生徒手帳だった。 「どうして、九条君が持ってるの…?」 「昨日、落ちてたのを拾ったんだよ。紗智に声掛けたけど、勢いよく自習室を飛び出して帰っちゃったじゃん。」 あ…… そういえば、九条君が何か言ってるようだったけど、無視して帰ったんだ…。 ま、まさかあれが手帳のことだったなんて…。