「九条君、これって…」


「今日は航の誕生日だろ?だから誕生日プレゼント。」


笑顔を浮かべる九条君は、私の手をとると、プレゼントの箱を持たせた。


「ど、どうして九条君が航の誕生日を知ってるの?」

「日曜日、紗智の家に行った時に、航たちと遊んでる中で偶然その話が出たんだよ。誕生日パーティーが楽しみだ…って、航が嬉しそうに話してた。」


私が図書館に行ってる間に、そんなことがあったんだ…。


「そ、それで九条君…わざわざプレゼントを買って来てくれたの…?」


「ああ…。俺一人だと、どういうもの渡したらいいのか分からなくて、それで兄貴たちにも頼んだんだ。特に兄貴の彼女は、小学校の先生をやってるし、流行ってるものとか分かるかな…って思ったから。」


「そ、そうだっだんだ…。」


私は、ジーッとプレゼントの箱を見つめた。