放課後を迎えると、私はカバンに急いでテキスト類を詰めこんだ。 早く帰って、誕生日パーティーの料理の準備を手伝わなくちゃ…! 航にとって、一年に一回の大切な日…。 今からは、航の誕生日を楽しくお祝いすることだけ考えよう…。 心の中でそう思いながら、カバンを持って席を立ち上がった時だった。 「紗智、ちょっと待てよ。」 突然パシッと腕を掴まれた私は、声の方に視線を向ける。 すると、そこには九条君が立っていた。