「…じゃあ、行って来ます。」 翌日の朝、沈んだ気持ちを引きずったまま家を出ようとしているところを、お母さんに呼び止められた。 「紗智、どうしたの?昨日、帰って来た時から元気ないみたいだけど…大丈夫?」 「う、うん…。何でもないから大丈夫…。」 心配そうにしているお母さんに笑顔を作った。