しっかりしろ…私。


頬をペチペチと軽く叩いた後、空を見上げた。


薄暗くなってきたし、早く引き返そう…。


そう思いながら、視線を空から戻した瞬間…私は一点を見たまま固まってしまった。


10メートルほど前方のお店…。


そこから出てきた制服を着ている、キャラメル色の髪をした男の子に…。


ドクン…と鼓動の音が大きく鳴り響く。




九条君だ……。