朔矢君が自習室を出て行った後、ボーッと窓から差し込む夕日を見ていた私は、ふと壁の時計を見上げた。 私も…そろそろ帰ろうかな…。 ゆっくりと席を立って、テキスト類をカバンへとしまい込む。 自習室の戸締まりを確認してから校舎を出た私は、心ここにあらずな状態でトボトボと歩き始めた。 頭の中では、さっきまでの朔矢君の切ない笑顔や声がグルグルと駆け巡る。 どんよりと沈んだ気持ちのせいか、自然と俯き加減になってしまった。