「可愛いさっちゃんの全てを独り占め出来る九条が羨ましいよ。」 ビックリして固まっている私を微笑ましそうに見た朔矢君は、席から立ち上がった。 「俺、初めて恋した女の子がさっちゃんだったから、この想いはなかなか諦めがつかないと思うけど…、さっちゃんが九条の傍で笑顔で居られるなら…応援するからね…。」 「…あ、ありがとう。」 私の目には、また涙が滲んできてしまった。 「俺、先に行くよ…。明後日からのテスト…お互い頑張ろうね…。」 歪む視界に映る朔矢君の笑顔は、とても寂しく見えた。