「先週の月曜日の放課後に、ここで勉強してたら九条君が突然来たの…。女の子から逃げてたらしくて…。そ、それで…会話をしたのが最初だったんだ…。」
あの時は急に入って来た上に、変なことに巻き込んできて…
何なの!?って、イライラしてばかりだったな…。
「そうなんだ…。それで、さっちゃんに会っちゃったのか…九条の奴。」
朔矢君はため息まじりにガクッと肩を落とした。
「俺がもっと早く…さっちゃんのこと…捕まえておくべきだったな…。そうしたら、九条に奪われることもなかったかもしれないのに…。」
「朔矢君……。」
呟くように名前を呼んだ私の顎に朔矢君は手を添えると、顔をスッと近付けてきて…
頬に触れるだけのキスをした。