「そ、そういえば…どうして九条君は私を探してたの?」 教室を出ようとしている九条君を呼び止めた。 確か…さっき春石先輩にそう言ってたよね、九条君…。 何か私に用事でもあったのかな…? 「どうして…って、そりゃもちろん…紗智のことが気になって仕方なかったからだよ。」 「えっ…?」 私は瞬きを繰り返した。 「体育が終わって女子が次々と教室に戻って来るのに…、紗智はなかなか帰って来ないから、どうしたんだろう…って思ったんだ。」 そ、そんな風に心配してくれてたんだ……。