教室内に、どことなくピリピリとした空気が流れ込む。
すごく気まずい…。
九条君は私から離れずに触れたままだし、朔矢君もジッとこちらを見つめたまま動かない。
朔矢君の視線は、私…というよりも後ろの九条君に注がれているような感じだ。
普段の穏やかな朔矢君からは、想像出来ないような鋭い視線…。
息が詰まるような状況に、為す術もなく視線を泳がせていると、朝のホームルーム前の予鈴が鳴り響いた。
「もうそんな時間になってたんだな…。」
九条君は残念そうに呟くと、私の胸元と髪の毛に触れていた手を離した。
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