「俺が紗智に惚れたんだよ。だから、振り向かせたくて…奪われたくなくて…、あの時…連れ去った。」
えぇっ!
みんながいる前で、何言ってるのよ…!!
私は慌てて顔を上げる。
すると、知穂さんも汐莉も教室にいる女の子たちも、目を見開き、口をあんぐり開けて驚いていた。
その光景、そして九条君の言葉にカァッと一気に顔が熱くなっていく。
「九条君、み…みんな見てるから離れてよ…。」
パニック寸前の私は、モゾモゾと動いて、逃げようと試みたけど……
「ちょっと無理だな。朝から紗智に触れることが出来たから、俺も嬉しいし。」
九条君からは、そんな答えがサラリと返ってきてしまった。


