放課後恋愛


後ろの方から聞こえてきた低い声に、ドキッ…と心が跳ねてしまった。


く…九条君だ…。



知穂さんは、驚きながら九条君の方へと視線を移す。

教室でお喋りをしていた女の子たちも、九条君の普段より低い声に反応して会話を中断してしまった。


途端に音の減った教室は、心なしか空気が重い…。


私は振り向くことが出来ずに俯いた。


「あ、あの…綺斗と藤野さんが、金曜日に手を繋いで歩いていたのを見たから、じ…事情が知りたくて……。」


「事情…か。それなら、教えてやるよ…。」


こちらに向かって足音がゆっくりと近付いてくる。


そして……
ピタリと止まったかと思うと後ろから大きな両腕が私の胸元に回された。