ギュッと携帯電話を握りしめながらリビングを出た私は、隣の部屋から出てきた九条君の前を通り過ぎて階段をズンズン上る。 「あっ!待てよ、紗智。」 その言葉の後に聞こえてきた階段を上ってくる音に、慌てて振り向いた。 「ちょ、ちょっと!!ついて来ないでよ!」 「だから、それは無理だって言ってるだろ?」 フッと笑いながら、九条君は近付いてくる。 急いで階段を上りきって部屋に入った私は、ドアを閉めようとしたけど… 「そうはさせねぇから。」 すぐにやってきた九条君が、それを阻んでしまった。