「まだ作ってる最中なんだから離してよ!」 「お!もしかして冷やし中華?俺、結構好きなんだよね。」 胸板を押して離れようとする私を、九条君はギュッと抱きしめたままだ。 「い、言っとくけど、たまたま冷蔵庫に食材が揃ってたのと、航や結希が好き…っていう理由で作ってるんだからね。」 「了解。そういう言い方、紗智らしいよな。」 顔を上げて不満げな視線をぶつける私に、九条君は嬉しそうに笑った。 そんな表情しないでよ…。 調子狂うなぁ…。