「別に…何もしなくたっていいじゃん。俺は…こうして紗智にもっと触れていたいんだよ…。」
えっ…!?
私…もう充分過ぎるほど、触れられてるよ…?
それに、このまま何もしないわけにもいかない…。
「私…、お母さんの代わりに昼食の準備したいから、キッチンに行きたいの…。だ、だから……」
「昼食…、紗智が作ってくれるんだ…。」
私のお腹の辺りに回されていた九条君の手がスッと離れた。
「俺も食べたいんだけど…いい?」
クルッと体を九条君の方に向けさせられる。
視界には穏やかな表情で私を見つめている九条君の姿が映りこんできた。


