「ドアが開いてたって、普通は何か声掛けるでしょ?」 「電話の相手が気になって、それどころじゃなかったんだよ。で、誰?」 九条君の吐息が私の髪にかかるのがハッキリと分かった。 「まさか……アイツ?」 少し低くなった九条君の声にビックリして肩が僅かに震えた。 “アイツ”って… 多分、朔矢君だ…。 不機嫌そうな声になる時って、朔矢君が関係してることが多いもん…。