は?眼鏡…?


予想もしてなかった言葉に瞬きを繰り返していると、九条君は私から少し離れて、掴んでいた手もスルリと放した。



「外してみたら?」


「視力が悪いから眼鏡してるっていうのに、外せるわけないでしょ?変なこと言わないでよ。」


ニコリと笑っている九条君にイライラのボルテージは下がるどころか、ますます上がっていく一方だ。


もう…このままだと埒があかない…。


私は勉強用具を広げていたテーブルに近付くと、カバンの中に荒々しく詰め込んだ。