「えっ!ど、どうして!?」 ビックリした私は、慌てながら手を左右に振ったものの、九条君は離してくれない。 「放っておけねぇ…って言っただろ?この方が何かあっても、すぐに守れるから。」 「もう何もないってば!」 この状態で家まで帰るなんて、冗談じゃない…。 こんなに心臓がドキドキしていておかしい…って感じてるのに、手なんか握って歩けないわよ…。 少し勢いをつけてブンブンと手を振ると九条君がニヤッと笑った。 「これが嫌なら、俺は紗智を抱きしめたまま、離してやらねぇけど…どうする?」