夜風が頬を撫でるけれど、涼しさを感じない…。 それどころか熱くなる一方だ。 お礼言われて照れたからって、こんなに反応する…? ドキドキ…する? いくら何でも、体も心も敏感すぎない…? 頭の中に疑問符を並べていると… 「紗智っ!」 突然、九条君の大きな声が後方から聞こえてきて… ビックリして俯いていた顔を上げた私は、横から腕を勢いよく引っ張られて、甘く温かいものに包まれた。