わぁ…。 綺麗な月…。 淡く柔らかな光が夜空を明るく照らしていた。 思わず立ち止まって、その光景を眺めていると、急に甘い香りが鼻を掠めた。 そして… 背中に感じる温もり…。 ま、まさか……。 私は慌てて振り向こうとしたけれど、それよりも先に九条君の手が後ろから伸びてきて… 「……捕まえた。」 囁くような言葉と共に、ギュッと抱きつかれてしまった。