「紗智を一人で帰したくない…。」 九条君の指先の温度を、全て奪ってしまったのかと思うほど唇が熱い…。 しかも、鼓動に合わせて微かに震えてる…。 こ……こんなに敏感に反応するのって…変だよね? どうかしてる、私…。 熱も震えも早く治まってほしくて、キュッと固く唇を閉じると、九条君は私の髪の毛を指に絡めた。 「出来るだけ紗智の傍に居させてよ…。まだまだ教えて欲しいこと…、たくさんあるんだからさ…。」 私を見つめた後、九条君は絡めとった髪にキスを落とした。