「良かった…。」 呟くような声が聞こえてきたかと思うと、九条君は体をゆっくりと離す。 そして… 私を見つめると微笑みを浮かべた。 ホッと安堵したような笑顔…。 不覚にも、その表情にドキッと胸が高鳴る。 別にドキドキするつもりは無かったのに…。 心に違和感を感じながら、九条君に背を向けて、朔矢君へとメールを打つ。 いつもなら、すぐに打てる文字なのに… とても速い鼓動の波で手が震えてしまい、少し時間がかかってしまった。