頭の中は途端にパニック状態になる。 と、とにかく早く教室に戻らなくちゃ…。 心の中で、そう思いながら焦ってメールの画面を閉じようとした時… 「そんな風に背を向けて黙っていられると、気になるじゃん…。」 私の耳元で声が聞こえたかと思うと、いきなり九条君に後ろから抱きしめられた。 フワッと漂ってきた甘い香りと背中に感じる温もりが、パニックになっていた心を更に乱していく。 「やっ…!何してるのよ…、離れて!」 必死に体を捩って離れようとしていると、九条君の片手が私の携帯電話に触れた。