「誘われたけど丁重に断った。俺は、紗智と一緒に勉強したいからさ…。というよりも、紗智の傍に居たい…っていう方が正確かな?」 「なっ…何よそれ…。」 フッと笑う九条君にイライラしていると、私の視線の高さに合わせるように九条君は少し背を屈めた。 「ハマッた。」 「へ?」 首を少し傾げると、九条君は私の耳元に顔を近付けた。 「俺、完全にハマッたよ…紗智に。」