「……紗智?反応ねぇけど…、どうした?」


九条君の声にハッとして、肩をピクリと震わせた。


「は、反応するもしないも、私の勝手でしょ!?もういい加減にしてよ。私、帰りたいんだから。」


自分の持てる力を精一杯使って、もがきまくっていると、ようやく九条君は体を離してくれた。


「紗智が本当に帰りたそうだし、今日は解散するか…。また明日、一緒に勉強しような?」


「…………。」


私は何も言わないまま、九条君の横をズンズンと歩いて、自習室の外に出た。