「紗智…?放心状態になってるみたいだけど、大丈夫か?」 九条君は近くのテーブルに寄りかかりながら、私を見ている。 何とも憎たらしい笑顔だ。 「放心状態になんか…なってないわよ。デタラメなこと言わないで。」 私は、開けようとしていた後ろの窓をバンッと思いっきり強い力で開けた。 ダメダメ! 九条君のペースに流されちゃダメよ…。 この、よく分からない気持ちに惑わされちゃダメ…。 フルフルと小さく首を横に振った。