「そうなったら、逃がさねぇからな?」 九条君は口角を上げて不敵な笑みを私に向けると、ゆっくり体を離した。 またしても顔が真っ赤になってるんじゃないか…っていうほど熱くなっている。 変だよ…私。 九条君のことだから、他の女の子たちにだって、同じようなことを今までに何度も言ってるに決まってる…。 それなのに…… なんなの?この気持ち…。 初めて経験する気持ちだから、どう表現すればいいのか、よく分からない。 でも…なんだか、九条君の言葉が… 嫌だ…って感じていない…。