「そんなこと…あるわけないじゃん…。私の場合、お…襲われる対象にもならないわよ…。」 そうだよ…。 普段、地味に勉強ばかりしている私を誰が襲うっていうのよ…。 有り得ない話だ…。 心の中で、自分の考えにウンウン…と頷いていると、九条君は笑い出した。 「その考え方自体が既に危ないよな…。紗智なら、そう言いそうな気はしたけど。」 な、何よそれ…! すっごくムカッとくる言葉…。 俯きながら唇を噛みしめて、イライラを募らせていると、私の髪の毛に九条君の手がフワッと触れた。