Platonic Love




私は、家がすぐそこに見える所まで走ってから立ち止まった。
もちろん、後ろには誰もいない。
分かってはいるけど、もう明人さんにとって自分は必要じゃないんだって思うとつらい。
私は、明人さんから誕生日プレゼントである小さなバックから携帯を取り出し、
大切な親友に電話をした。



プルルルルッ
ガチャッ


『もしもし?』

「もしもし、明日香?」

『そうだけど…どうしたの?』

「あのね、」

『うん。』

「石田悠里、今日振られました!!」


私は、大声で親友に発した。


『声デカい…ってどういうことよ!?』

「だから、今日振られちった。」

『振られちったじゃないわよ!!今からあんたの家行くから待機してな!!』

「うん、分かった。」

『そんじゃあね!!』


プチッ


“矢野明日香”(ヤノアスカ)
私が明人さんと不倫をしていたことを知る唯一の人物。
私と明人さんのキューピットと呼んでも過言じゃない。
彼女とは、私が通ってる高校の入学式で出会った。
いつも、明るくてみんなからの人気者。
そして、私の親友。
明日香は、どんな時も私の味方をしてくれて、応援してくれる。
そして、

“石田悠里”(イシダユウリ)
これが私の名前。
名前言うの遅れてごめんね。
ついさっき、彼氏に振られた阿呆です。
でも、七夕で振られるって最悪……