「悠里、早く行くよ!!」
「うん。」
「じゃあ、行こっか。」
亮先輩は私に左手を差し伸べた。
「はい。」
私はその左手を握り締めた。
そして、私と明日香がよく行く居酒屋へ向かった。
夜
「なぁ~明日香~」
光さんは…完全に酔ってた。
「おい、光。あんま酒飲むなって言ったろ?」
「ごめんなさ~い」
「ったくこの馬鹿野郎。ごめん悠里、ちょっとこいつタクシーに乗せてくよ。」
「うん、分かった。」
亮先輩は、光さんの介抱に忙しいみたい。
亮先輩は一回席を立ちフラフラな光さんに肩を貸して歩き出した。
「ねぇ、悠里。」
「ん?」
突然、明日香が喋りだした。
雰囲気もなんか違うし。
怒ってるのかな?
「まだ、亮くんとキスしてないの?」
「えっ?」
「だから、キスしてないのか聞いてんの。」
明日香の声が少し冷たく感じた。
「うん…。」
「なんで?」
「なんでって、明日香も知ってるじゃん!!私はプラトニックラブの人間だって。」
「元からじゃないでしょ?」
「まぁ、そうだけど…でも肉体関係持たなきゃいけないなんてことはないし…」
「あんた、まだ突き通すの?」
「プラトニックラブを?当たり前じゃん!!」
「…亮くん、いい人じゃん。」
「亮先輩?知ってるよ、いい人だって。」
「なら、せめてキスはしようよ。」
「そっそれは…」
「『私は、明人さん以外の男の人に汚されたくない。キスだって、明人さん以外嫌!!』あんたが二年前に言ったこと、まだ突き通すつもり?もういいんじゃないの?」
「でも…」
私は、言葉を失ってしまった。
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