大学の玄関まで行くと、いろんな意味で目立ってる二人がいた。
「光くん!!」
「明日香!!」
明日香は二人の片方…まあ明日香の彼氏さんなんだけど、その彼氏さんを見つけると彼氏さんの方へ走って行った。
「明日香、ちょっと遅れちゃってごめんな?」
「ううん、大丈夫だよ?光くんが今ここにいるんだもんっ!!」
「お前は…本当可愛い!!」
「光くんも格好いいよ!!」
…見ての通り、バカップル。
時々、見ているこっちまでちょっとウザく感じてしまうほど。
私は、もう一人の方へ駆け寄った。
「びっくりしたよ、今日会えないって言ってたし。」
「ごめん、悠里。明日香ちゃんから黙っててくれって言われちゃって。」
「…亮先輩の馬鹿。」
「ごめんって。」
私の目の前にいて、はにかみながら謝る人物は、
原田 亮(ハラダアキ)
24歳
私の、現在の恋人。
初めて出会ったのはこの大学のサークル。
私と明日香が一年生で、明日香の彼氏さんである『光さん』と亮先輩が四年生だった。
私たちはすぐ仲良くなり、明日香と光さんはすぐ付き合い始めた。
私と亮先輩は、約七ヶ月前のクリスマスイブ。
亮先輩から何回も告白されたけど断っていた私に亮先輩が、『一日だけデートしてくれる?』と言われデートに行くことになったけど、
当日に私は、寝坊をしてしまい亮先輩を二時間も待たせてしまった。
しかもその日は雪も降っていた。
亮先輩は帰っているだろうと半分諦めで行ったら、亮先輩は待ち合わせ場所にいた。
手は、真っ赤だった。
こんなに寒い中、待っててくれたことがとても嬉しかった。
事情を話したら、笑顔で許してくれた。
デートは、明人さんとのデートをした時くらい楽しかった。
そして、私は亮先輩にあることを言った。
『私は、プラトニックラブの人間なんでキスとか出来ませんけどいいんですか?』と。
亮先輩は、
『…分かった。』
とだけ言った。
だから、付き合うことを了承した。
付き合って半年以上だけど、まだ手を繋いでしかしてない。
それ以上なんて、もちろん。
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