放課後、オレは天音を屋上に呼び出した。 “話がある”と告げて。 オレの方が先に着いたみたい。 唯一、屋上にあるベンチに座って天音を待った。 しばらくすると、天音がやってきてオレの隣に座った。 沈黙がやけに重く感じた。 そんな沈黙を破ったのは天音だった。 「話って..なに?」 少し腫れている目でオレを見ながら言う。 『芸能界に入るって..マジなの?』 この時、まだ少し期待していたんだ。 でも、その期待もすぐに消え去った。 「…うん」 彼女が首を縦に動かしたから。