ラスト

仕事帰り、

夕食の買い物をしていると、見慣れた顔を見掛けた。

彼だ…

でも、隣には楽しそうに話しかける奥さんがいた…

彼に気付かれない様に、買う予定の物も買わずに逃げる様に帰った。

部屋に着くと、何故か涙が止まらなかった。

そんな自分が情けない…
あの二人には普通の事。何処の夫婦も同じ風景。

でも、どうして…

どうしてこんなに辛いの

ズキッと痛むこの胸の痛みは、私のどす黒い嫉妬

何もする気になれない。
正弥にメールするのも、今日は、何も話す事がない。

ご飯作るのも、メイクを落とすのも、お風呂も、やる気になれない。

電気も付けず、テレビの光だけが私を照す。

嫉妬だらけの私…

何時間たったのだろう…いつの間にか寝てしまっていた。

寝ていた間に正弥からの着信があった。

もう夜中の一時。

正弥が起きている訳はない。