「……ふ」
「あれー?莉子、何ニヤけてんのぉっ!
あーっ!もしや、好きな人でしょ?」
「……っへ?ち、違うよ!」
…いや、違うんじゃない。
本当は春に見てほしいんだよね。
…素直じゃないな、私。
「何だ莉子。好きな人いたのか?」
そこに、皿洗いをしていたこの店のオーナーこと、''徹っちゃん''が聞いてくる。
「……っ」
徹っちゃんは昔から1人でこの店を経営していて、昔からお客も少なかった。
そんな中、私たちがこの店を通うようになって…助けられたと本人が言っていた。
「そうなの!でも、好きな人教えてくれないんだよ?酷くない?」