「お待たせ!」
8月に入り、毎年最大のイベントでもある花火大会がようやく始まった。
学校の近くで打ち上げられるこの花火。
私たち4人はいつも、学校の屋上で見ているんだ。
毎年お馴染みの浴衣を着ていつものカフェで4人で待ち合わせをした。
「あっ!莉子!」
どうやら、来ていたのは咲だけらしく1人ソファーに座っていた。
「あれ、あの2人は?」
「それがまだなんだよね…。ってゆーか可愛い!莉子ってば本当に浴衣姿似合うよね」
「…そう…かな?」
「うんうん!」
咲の誉め言葉に思わず、緩んでしまう顔。