ホワイト キャンバス

「良かったの?春、置いてきちゃって」
ずんずん進んで校舎の裏側に辿り着いた私たちは、お互いに数本の木を持ちながら火の粉の中に投げ込んでいく。
「いーのいーの!どうせ今頃、ヒカルと仲良くやってるよ」
「……うん、そうだね」
少し元気がない咲は小さく微笑んで近くにあるコンクリートの上にしゃがみこんだ。
私も手につけていた軍手を外して、咲の隣にそっと座った。
「なんかさ、懐かしくない?こうやって真剣に話すのってさ」
うつむいていた咲はパッと顔を上げて、意地悪そうに微笑んだ。
「そうだね、3年ぶりくらい…?」
「え!そんなに!?」