気づけば季節は夏。
ミーンミーンと蝉の鳴き声が嫌ってほどに聞こえてくるこの季節。
ジリジリと照らす太陽の光でアスファルトまでも焦がしてしまいそうな勢いだ。

サッカー部のマネージャーをやっている私は、
グラウンドから少し離れた日陰で休憩中。
そして、休憩中の奴がもう1人…

「行っくよー!ヒカル!」
大きなグラウンドの中心。
そう叫んだ咲にヒカルは、手に持っている金属バットを構えた。
「おうし!来いっ!」

そして咲は、持っていた野球ボールを広い広い青空へと掲げた…

青空に飛んでゆくボールはゆっくりとヒカルの元へと孤を描いて落ちてゆきーーー。
「よっしゃ!」
そう言って目の前まで飛んできたボールにヒカルはバットを振りかざした。
ーーカッキーン