学校のてっぺんは、薄っすらと赤味がかっており、太陽が街の中へと沈んでいく。
 そんな中。
 男の子と女の子が、寄り添うようにして座っていた。

「あれだよな、お前って食べ物に例えるとカレーだよな?」
「それはつまり、アタシは黄色いイメージがあると」
「いや、そうじゃなくて、カレーって嫌いな人少ないだろ? お前ってほら、結構認知度高いじゃん。社交的っていうか、たくさん知り合いいるだろ?」
「……でもカレーに例えられるのはかなりイヤ」
「いや、他に良い例えが思いつかなくてだな」
「じゃあ君は? 食べ物に例えると何?」
「俺か? 俺は……福神漬けかな」
「それはつまり、君は赤いイメージだと」
「いや、そうじゃなくて。俺ってほら、好き嫌いがハッキリ別れるタイプだろ? お前みたいに廊下歩く度に知り合いに会うほど友達も多くねぇし」
「なるほど。自分の事良くわかってんじゃん」
「それにさ」
「ん?」
「福神漬けなんて、カレーぐらいにしかあわねぇだろ?」
「……それがオチ?」