遥ちゃんの願いを叶える為にも頷いて、涼平くんとの仲を取り持ってあげた方が良いのかな?





だけどそんなことをしてしまったら涼平くんは余計に傷つくんじゃ――…






「あいつに何言われた?」




「えっ?」





帰りの車の中、ボォーッと考え込んでいた私に涼平くんは聞いてきた





その声を発した人物を見ると前を見ながら辛そうに顔を歪めていた






「あいつが交換条件つってたから・・・」



“交換条件・・・良い交換条件でしょ?”





あの言葉が蘇ってくる





・・・聞こえてたんだ?





“春兄の仲取り持ってあげるから・・・”





あの言葉に胸が締め付けられるくらいに苦しくなる





途端に涙が溢れ出しそうで鼻の奥にツンッとしたものを感じる





「あぁ…うん。
対したことじゃない」






今にも泣き出しそうな感情を押し殺し前を見据えていた





そんな私に向けられるのは苦しそうな彼の優しさだった





「俺が・・・」





「えっ?」





「俺があの時、連れ出さなかったらあいつの条件呑んでたのかよ?」





「・・・・・」