そんな私は今、どんな顔をしてるのだろうか?
きっと引きつった酷い顔をしてると、思う
「先生・・・」
不意に遥ちゃんに呼ばれて顔を向けると複雑そうな表情をしていた
その表情からは何を訴えているのかはっきりとは分からない
「先生は・・・」
挑戦的な眼差し――…
遥ちゃんの目から目が離せなくなった私に鋭い一突きを突き刺してくる
「・・・春兄のこと好きなんでしょ?」
私の・・・好きな人?
揺らぐ目に動揺は隠せなかった
あぁ・・・私は彼を好きなのかと。
認めたいようでどこかで認めちゃいけない
そんな気がしていたから
きっと、それは親友の・・・
莉子の好きな人だから――…
「私が・・・」
そんな私は、きっと涼平くんに酷いことをしていたと思う
「先生と春兄の仲上手くいくように・・・」
隣に涼平くんがいるのに何にも言い出せない私はそれを認めてしまっているようなものだったから
「・・・手伝ってあげようか?」
「えっ?」
聞こえてきた言葉に耳を疑っていた
だけどその言葉に素早く声を漏らし反応したのは私ではなく――…
言葉と同時にキュッとさっきよりも強く手を握り締めてきた涼平くんだった
