赤い糸




指定されたパーキングに車を停めてから歩くこと2分。




ある一軒の家の前に到着していた。









…――ピ―ンポ―ン――…








涼平くんが先頭に立ってチャイムを押してくれた。





“ガチャ"





「はぁ~い!!!」




その到着数分前に電話してたこともあり、中から涼平くんの友達と思われる女の子が出て来た。




「涼平!
早かったね‥‥。」





ニコニコと話すこの女の子可愛いって言うよりも凄いキレイ!!!




殆どノーメイクなのに、目鼻立ちがハッキリしてて、おまけに少し大きくて切れ長の目がキレイ!




「あっ!
後ろの人が先生?」




涼平くんの後ろに隠れるようにして立っていた私に視線を向けて、彼女はニッコリと微笑んできた。




「初めまして。
私、波瀬 雪と申します。
宜しくお願い致します!」




「あたし立川 遥です。
宜しくお願い致します!」




…立川……はる…か――…





どっかで聞いた感じがするんだけど…?




どこだったっけな?





「ど…うしたんですか?」




顔を歪めてたらしく、若干引き気味の様子で遥ちゃんは私の顔を覗き込んできた。





そこで“はっ"として歪めてた顔を笑顔に変える。




「ゴメンね!
ちょっとボォ~としてた…。」




そう言えば私の前にいた男は「いつものことじゃん!」なんてことを、笑いながら言うから腹が立って、背中をバシバシ叩いてやった。




「ヒッドーイ!
あたし、そんなにいつもボォ~としてないし…。」




「自分で言ったんだろ?」




そんなことを笑顔で言うなぁ―――!!!





私たちのやり取りを見てた遥ちゃんは「ははははは…」なんて大笑い。




それを見て、口先を尖らせ拗ねた表情で遥ちゃんに目を向けていると「うるせーぞ!」って、声と共に扉が開いた――…