『ゴメン‥‥‥こんなこと思ったらダメなんだろうけど…今、すげー嬉しい!』





「はっ?」





『心臓、すげー早っ!』





少し控えめに笑う彼の声に心臓がなぜかドキドキ飛び跳ねた。




動揺がバレないよう、咄嗟に言葉を繋いだ。






「とっ…とにかく何でも良いけど、お願いだから絶対にあんなこともうしないでよね!!」






「へぇ~へぇ~!」





やる気のない何とも言えない返事で返された。





こんなヤツ、本当に信用しちゃって大丈夫なのかなぁぁぁ~~~?





うぅ~~~!!!









年下なのに1枚も2枚も上手な涼平くんがムカつく!!!





「で?
場所どこなの?」







可愛げのない言い方しか出来ない私は、こんな風にして、口を開くことしか出来なかった。





莉子だったらきっと男の子の前ででも可愛い反応で返したりできるんだろうな…。






思わず“はぁ"なんて溜め息が零れてしまう。





そんな私の気持ちに気づいてか気づかないでなのか分からないけど、涼平くんは『クスクス』と笑っていながら口を開いてきたんだ。





『ゴメン。
10分くらいで着けると思うから。』





「了解。」





不機嫌になった私は、軽くそう返す。





『じゃあ。』





そう言って電話が切れた10分後、家の前に着くと私より先に車に乗った涼平くんが到着していた。





そしてそのまま涼平くんのお友達の家に向かうことになった――…